映画「運命じゃない人」=おいしいラーメン

2005年7月18日月曜日

06_ウソ日記 45_映画・音楽・読書

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すでにいろいろな人が、この映画の良さや監督の才能を代弁してくれているから、あんまりいろんなこという必要ないんだけどね~。でもなんか言いたくなっちゃうよね~。だってうれしいんだもーん。
料理でいうとね、フランス料理じゃなくてラーメンなのよ。おいしいラーメン屋のラーメン。

ただね~、
「スープが不出来のため臨時休業」とか
「当店の味に集中していただくため携帯電話の通話もメールも私語もお断り」とか
「スープ売り切れのため昼で閉店」とかっていう、プロフェッショナリズムを言い訳にして、客商売の基本を捻じ曲げてしまっている類のラーメン屋のことじゃないですよ。
日本映画って、フランス料理みたいに偉そーな雰囲気で、客に構えさせるようなものがけっこう多くて、それはそれで悪いことじゃないんだけど、気軽に食べられるラーメンみたいなのが少ないのよね。
「最近話題になっているラーメン屋があるんだけど、あそこおいしいの?」って聞かれたら、
「あ、おいしいよ」って気軽に答えられるよね。これ実は重要。
ところが
「あのフランス料理屋はどう?」なんて聞かれちゃったとしたら、客が萎縮しちゃう。
本当はそんなに美味しいと思わなかったのに周りの評判いいもんだから
「ま、人それぞれ好みがあるからなんともいえないけど…、深い味だよね」と逃げちゃったり…。
「あの味がわかんないようじゃだめだね。」とか偉そうな薦め方して、自分のセンスをひけらかそうとしちゃったり…

…というわけで、「運命じゃない人」はおいしいラーメンって感じ。気軽に食べて、気軽に「あーおいしかった」と言える。人に薦めたくなる。もちろん「豚骨と鶏がらを15時間じっくりと煮込んだ特製スープが…」なんて、薀蓄並べて評論しても構わないけどね。
口に合わない人がいるのはしょうがない。でも、巷でそこそこ美味しいって言われてるラーメンって、多少自分の口にあわなくても「クソまずい」ってことはそんなにないよね。それにたかがラーメンだから「俺はあそこのラーメンあんま好きじゃねぇ」って遠慮なく言える。
内田けんじ監督について触れておきます。彼とは10代の頃から付き合いがあります。とってもおもしろくて、とってもいい人です。好きな人ができたりすると、まっさきに彼に報告し、アドバイスをもらったりしちゃいます。「運命じゃない人」に出てくる探偵の神田みたいなセリフ、あと1万種類ぐらい持ってますよ、内田監督は。

前作「Weekend Blues」の撮影にも立ち会いましたが(っていうか出演したんですけど)、現場の雰囲気はめちゃくちゃいいです。「運命じゃない人」のキャストやスタッフも「こんなに楽しい撮影現場はめったにない」と言ってますが、それはきっと本音だと思います。
インタビュー記事とかで、編集のされ方によっては発言が偉そうに見えることもあるかもしれませんが、
「お前ら、俺が日本映画を変えてやる!」とか「お前ら、俺の緻密な脚本センスを思い知れ!」とかっていう、上から目線でモノを作る人では決してないです。本当に、人のいいラーメン屋の店主みたいなもんです。
ほんとうにコメディアンみたいに面白い人なんで、会話を録音して放送したいぐらい…。映画より本人のしゃべりの方が面白いかも…っていうと本人に失礼だね。でもそんな魅力を持ったいい人なんですよ。

早く次の作品が見たいです。製作費2500万円、撮影期間12日間でもここまでできる、ってことを証明できたのだから、次はもっとお金と時間をかけられるといいね。お金のあまっている人、出資してあげてください(^-^)
ちなみにスターウォーズIIIの制作費は500倍の120億円。
どちらもおいしいラーメンだと思います。見るのはどっちも1700円。両方見ちゃえば?
内田けんじ監督インタビュー
映画の内容に全然触れずに書いてみました。ちょっと見たくなった?

評価:A- 超オススメだけど、内田監督はもっともっと面白い作品を作れることを確信しているので。

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2005/11/11追記
幻の名作「Weekend Blues」も発売されるんだね! はっきりいって面白いよ。ツインパックでも買えるから両作品ゲットすべし!

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