「プレステージ」馬鹿のケンカに付き合ってられない

2007年7月1日日曜日

45_映画・音楽・読書

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バットマン VS ウルヴァリン
僕の好きな「メメント」「インソムニア」「バットマン・ビギンズ」のクリストファーノーラン監督の最新作。主演は「バットマン」のクリスチャン・ベールと、「X-MEN」でウルヴァリンを演じたヒュー・ジャックマン。
主人公のマジシャン2人が、腕を競って切磋琢磨。最後にお客もびっくり!
…だったらよかったんだけど、この映画はひどいぞ。
2人ともまったく人間的に魅力のない手品オタク。しかも、切磋琢磨するのではなく、幼稚でエグいつぶし合いをする。これには萎えた。
まったく感情移入できない美男子2人の、くだらない喧嘩を2時間も見せられるのだからたまらない。例えるなら、肩がぶつかったぐらいでナイフを構え合うヤンキー同士の喧嘩を見せられたみたいな虚しさだ。どっちのヤンキーがどんな方法で勝とうが、こっちは感動できるわけがない。
好きな監督の作品だけに残念でならない。
もちろん、さすがノーラン作品ということで、退屈なわけではないので、めちゃくちゃ気に入る人がいてもおかしくない作品だ。実際、世間での満足度は高いようで、それも理解できる。
さて、今回とても腹が立ったことがある。
それは、冒頭に「この映画のラストにあるトリックは誰にも言わないでください」っていう監督のメッセージが出たこと。こんなことするの日本だけだよ(推測だが、アメリカ本国ではこんなのを入れてないはず。もし監督が希望して入れたのなら許すが)。
こういうのは絶対にやめてほしい。映画のオチを言うタイプの人には、こんなメッセージ入れたって無駄なんだから。
むしろ、良識ある人に対して「相当衝撃的ななどんでん返しがあります」と強調してしまい、映画の楽しみを台無しにしてしまうデメリットの方が深刻だ。
10年ほど前にも、けっこう衝撃的な展開のある素晴らしい作品があったのだが、日本での公開時に、冒頭に主演俳優のメッセージとして「この映画にはある秘密があります、決して誰にも話さないで下さい」と出した、という恐ろしい前例がある。僕の友達は最初の10分で「あ、○○が××なんだな」とわかってしまったそうだ。
ばかもの~!! 日本の映画配給会社の人の判断だろうか? 映画を愛しているはずの人たちがなぜこんな愚かなことをするのか。
そんなことを言われたら、大体の予想がついてしまう。
・主人公が死ぬ!または死んでいた!
・主人公が犯人だった!
・あのスパイは2重スパイだった。
・男だと思ったら女だった!
・犯人だと思っていたやつが味方だった。
・あの神出鬼没の怪しい人は生き別れたオヤジ(または家族)だった。
・探していた奴は最初からこの仲間の中にいた!
・この2時間のすべての出来事は、幻覚を見せる政府の秘密兵器のせいだった!
・死んだはずのあいつが生きていた!
・犯人は1人ではなく2人いた!
・残虐な動物の仕業だと思ったら、人間の子供の仕業だった!
・記憶喪失だった!
・記憶喪失のナイーブな主人公は、以前残虐な殺し屋だった!
・全部夢だった!途中から夢だった!
・全部過去だった!
・全部政府の罠だった!
・殺人アンドロイドを追っていた自分自身も政府のアンドロイドだった!
…と、ほとんどはこういう感じのオチなんでしょ?
一部の友達が「あの映画、どんでん返しにビビったよ」と言うなら気にならないが、映画を見せる側の人が「この映画の秘密はしゃべらないように」とか「ラスト5分は誰にも話さないでください」と言ったら、それ自体がネタバレになる。映画配給会社の中にもわかっている人はいるはずなんだけどな。なぜ誰も止めないんだ?
ちなみに原題は「Prestige」。実際の発音は「プレステージ」ではなく「プレスティージ」に近いです。
評価:D(感情移入度ゼロのキャラ設定と、愚かな日本の配給会社に大ブーイング)

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