「キサラギ」すがすがしい密室サスペンス・コメディ

2007年6月30日土曜日

45_映画・音楽・読書

t f B! P L
kisaragi.jpg
喪服を着ないと盛り上がれないんです!
「十二人の怒れる男」に代表される密室もの。
設定は「自殺したアイドルの一周忌オフ会に集まった5人が、アイドルの死の真実を探りあう」というサスペンス仕立てのコメディ。
よくできたおもしろい芝居を、正しい形で映画化した、みたいな感じ。
というと、「じゃあ、芝居でいいじゃん」とか「こういうよくできた密室ドラマだったらテレビで見ればいいじゃん」とか言われそうですが、いやいや、いいんですよこれが!
この映画を見て、清々しい気分になった。サスペンス的な題材なのにね。
派手な作品じゃないけど、ちゃんとやるべきことを抑えて作られてるな~、と感じた。
食べ物に例えれば「たまたま入った目立たない店で定食を頼んだら白米がびっくりするほどおいしかった」みたいな感じ。
豪華な料理への感動というよりは、「あ~、白米の味って普段見落としがちだけど、ちゃんと炊くとここまでおいしいものなんだよな」っていう、ささやかな満足感。
多分100人が見たら、100人が「おもしろいね」と言うであろう、万人受けする映画だと思う。そのうちの何人が「2度見たい」「こんなおもしろいの見たことない」「DVDも買いたい」とまで感動するかは別としてね。あまのじゃくな人が見ても「まあ、よくできているよね…」と冷めた顔で言いそうな作品。そういった意味でも「おいしい白米」。
あなたがいくらパン派でも、おいしい白米に嫌悪感を抱くことはない、みたいな。
映画の途中で登場人物の1人が、真実の解明につながるある決定的な証拠を提示した時、席の後ろの方で「あ、そうか!」と思わず声をあげたおばさんがいました。ほんとのことを言うと、そこまでビックリする内容じゃないんだけど。でも、そんな声があがったとき「そんなことで声上げてんじゃねぇよババァ」とは思わず、なんか微笑ましさを感じた。昔の映画館って、スクリーンの中の悪人に向かって野次を飛ばしたり、ヒーローに声援を送ったりしてたらしいじゃん? そんな観客としての一体感を感じたなぁ。
おばさんに感嘆の声をあげさせたこと、それを微笑ましいと僕に感じさせたこと、これこそがこの映画の力なんだと思う。
原作&脚本の古沢良太って「ALWAYS 三丁目の夕日」の脚本を手がけた人なのね。超素敵。
確かに派手じゃないですが「別にテレビでいいじゃん」で済まされてほしくない良品です。
評価:A(サスペンスなのに清々しい気持ちになれた。ありがとう)

自己紹介

自分の写真
11/21生まれのA型
美しいウソが大好物
笑う門には福来たる~♪

DYGOに応援メッセージを送る!

名前

メール *

メッセージ *

ウソを検索

積み上げたウソ

人気の投稿

QooQ