「ダークナイト」重厚な社会派ドラマの秀作

2008年8月5日火曜日

45_映画・音楽・読書

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Bright Night for the Dark Knight.
新宿西口の夜。
バットマンではなく、スーパーマリオが出てきそう。
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クリストファー・ノーラン版バットマンの第2作「ダークナイト」を見た。
いや~、すごい映画を見てしまった。
重厚なエンターテインメントだ。水銀のような重さと密度。
もはや、シンプルな「コミック・ヒーロー映画」ではなく“ヒーローとは何か”“ヒーローは必要なのか”を問う「社会派ドラマ」。
メジャー系映画では今のところ2008年ナンバーワン!
ものすごく濃い2時間32分。
普通の映画だと結末に向かうクライマックス(大爆発とかカーチェイスとか派手な対決シーンとか)が1回なのだが、この映画は5回ぐらいあって、なかなか終わりません。何かの3部作の映画を1本に凝縮したようなテンション。見る方の体力も問われます。体調万全の日に、トイレをしっかり済ませて臨みましょう。
この映画、とにかく怖い。
映像的にグロがあるというわけではない。心理的に重くて怖いのだ。
「ダイハード」みたいなハラハラドキドキではなく、「ディパーテッド」みたいなサスペンス感。
9.11NY同時多発テロ以降の「シンプルな勧善懲悪が揺らいだアメリカ」を象徴する作品だと思う。
例えば、次のように置き換えてみる。
バットマン=正義=アメリカ政府
ジョーカー=悪=テロリスト
「バットマンがジョーカーをコテンパンに退治してめでたしめでたし」じゃ済まないことに気づいてしまった「911テロ以降の悩めるアメリカ人の正義感」が映画にも表われているのが興味深い。
クリストファー・ノーラン監督作品には「メメント」「インソムニア」「バットマン」とすべてに共通して「正義って何よ?」「正しかったら何をしても許されるの?」という、暗くて重~いテーマが盛り込まれているのだが、どれも映像が力強くてテンポもいいので飽きずに見られる。
前作「プレステージ」だけは主人公の2人のどちらにも感情移入できずモヤモヤしたが、そもそも「Aさんが善人でBさんは悪人ですよ~」という描き方をしないところがノーラン監督らしいとも言える。
「創作の娯楽劇の中に、重く暗いテーマを突っ込む」という形にこそノーラン監督の魅力があると思うので、今後も彼には「実話を基にした直球の社会派映画」とかは撮らないでほしい。トニー・スコットとオリバー・ストーンの中間みたいな今のスタンスが最も適していると思う。
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ちなみに映画館の窓口でチケットを買う時、売り場の若いおねえさんに「バットマン1枚」と、ワザとハッキリ言ったのだが、「はい?」と聞き返された。
仕方がないので、「あー、えーと、なんでしたっけ…ほら、あれ…。あっ! ダ、ダークナイト!」と、まどろっこしく考えたふりをしながら言い直してあげた。
映画ファンとして言わせてもらう。
この時期に「バットマン1枚」と言われて「はい?」と聞き返すのは映画のチケット販売員としてのプロ意識&プロ知識に欠けている。
「ダークナイト1枚でよろしいですね」と笑顔で言うか、「かしこまりました」とスルーするかのどちらかが正解であろう。
「男はつらいよ」を見ようと「寅さん1枚」と言った時に「はい?」と聞き返されたらたまったものではない。
ウェンディーズのコーラは「ペプシコーラ」だが、客が「コカコーラのS」と言った時に「はい?」と聞き返すだろうか?
同じくウェンディーズのポテトは「フレンチフライ」だが、客が「フライドポテトのM」と言った時に「はい?」と聞き返すだろうか?
みなさんも、ダークナイトを見に行くときはぜひ「バットマン○枚」と言ってみてください。面白い発見があるかもしれませんよ。
また頑固オヤジモードになってしまいました。これではバットマンになる資格ありませんね。
dygoの満足度:A
全部ウソです。バットマンよりもブルース・ウェインになりたいです。

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