「クローバーフィールド」破壊者ってこの映画の製作者のこと?

2008年4月6日日曜日

45_映画・音楽・読書

t f B! P L
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ニューヨークのNew Museum。
ズレ具合が最高。
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映画「クローバーフィールド」を見た。
これはやっちゃダメでしょ!
「アイアムレジェンド」に並ぶ「ビジュアル最高、内容空っぽ。見た後イライラ」の映画。
良いところは、音に迫力があるところと、映像に臨場感があることぐらい。
こういうメジャー系映画はそれで十分なんだろうけど、なんか許せなかった。
●不満1:ブレア・ウィッチを超える気ないよね?
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」でも有名になったドキュメンタリースタイルを使っているが、それ自体には意味がない。「この手法、スタイリッシュでしょ?」という製作者の自己満足しか感じなかった。だって、メインキャラ達は、ドキュメンタリーっぽい行動とらないもん。演技がリアルじゃない、ってことじゃなくて、彼らのあらゆる言動の動機にリアルさがないってこと。
●不満2:説明するのかしないのかはっきりしろ。
「説明しないことによる怖さ」を狙ったつもりかもしれないが「説明不足によるもどかしさ」しか感じなかった。「説明しない怖さ」ってのは、スピルバーグ監督の「激突」のトラックの正体や行動動機とか、「シックスセンス」のゲロ少女の母親の行動動機とか、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の得体のしれない肉片とか、いろいろある。この作品は、ニューヨークを破壊した“アレ”が何なのか、説明しないくせに必要以上に見せたりする。
●不満3:登場人物達に感情移入できません。
登場人物たちのあらゆる行動の動機が弱すぎて感情移入できない。そりゃメインキャラクターがスタコラサッサとニューヨークを脱出すれば映画は10分で終わっちゃうわけで、だからこそ、逃げない(または逃げられない)理由や、そこでとる行動に意味がなければいけない。なのに、ものすごく説得力のない理由でメインキャラクター達は90分間ニューヨークに残る(または残される)。しかも、メインキャラの1人である、ビデオカメラで撮影をする男のキャラ設定が、いわゆるKYな発言をする冴えないやつなのだが、見ている側としては彼にイライラするだけで、まったく笑えない。かといって映画の内容に大きく影響を与えるような大きなKY行動をとるわけでもないので、KYなキャラ設定にしたことにさほど意味がない。「こういう人っているよね~」っていう、“あるある”的な感情を観客に抱かせて、リアルさを訴求したかったのだとしたら、それは浅はか過ぎる。
あと、メインキャラ達は、ニューヨークのちょっと上流な若者たちね(Yuppieって死語かしら!?)。東京に例えると三軒茶屋や中目黒に住んで独身を謳歌してる20代中~後半の商社やITベンチャーや外資金融の人たちかな? この階級の人たちをメインキャラに据えた意味もよくわからん(いや、わかるんだけど浅はかなんだよなぁ…)。そりゃ夜のマンハッタンに高級アパートメントで優雅なパーティをやってる人たち、といったらこういう人たちになるけどね。
●不満4:製作者達の自己満足としか思えない!
「僕、こういう迫力あるパニック映像作れます。しかもリアルなドキュメンタリー風、センスあるでしょ!」という製作者や監督の自己アピールのためだけに、大きな予算を使って作った、という印象を受けた。嫌悪感MAX。
●不満5:仮想敵のないハリウッドメジャー映画はしょぼい!
アメリカ映画を年代順に並べて、映画中の「敵」が誰なのかに注目すると、アメリカン自己チュー歴史の勉強になる。昔は、ナチスドイツとアメリカ先住民。70~80年代はソ連や共産主義国。90年代は米ソ冷戦が終わって多様化し、中東、南アフリカ、経済大国日本など。90年代後半になるといよいよネタが尽きて、宇宙人、天変地異、隕石、ウイルスなどに。21世紀になると、NY同時多発テロのショックとイラク戦争についての国内世論が割れたことをうけて、中東、テロリスト、ハッカーなどを扱うものの、いまいち悪を100%悪として描かないようになってきた。「悪人たちにもそれなりに事情があったんだよ」みたいな。今回の作品も、もうアメリカには100%悪な仮想敵がないもんだから説明を放棄しちゃった、という印象を受けた。「ん~、もうとにかくパニック映画作ろうよ。どう? ニューヨークがパニック! 理由なんかいいじゃん! ドカーンって爆発して自由の女神の首がふっとんでさ!」と、何も考えていない自称プロデューサーが言いそうなセリフ、が聞こえてくるようだ。
★映画の内容と無関係なネタバレ!
この作品のエンディングの演出の関係で「エンドクレジットの後にもなんかあるんじゃないか」と思ってか、最後まで席を立たない人が異常に多かったです(僕もその1人)。
なんにもありませんから! エンドロールが始まったらさっさと帰っても大丈夫よ。
この映画を気に入った人、誤解しないでね。楽しめたならそれでいいんです。
僕が楽しめなかっただけだから。迫力のある映画であることは間違いないし。
dygoの満足度:D(どうしたハリウッド! このぐらい単純でいいからもっと楽しいのを作ってよ)

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