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45_映画・音楽・読書
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ニューヨークのNew Museum。
ズレ具合が最高。
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映画「クローバーフィールド」を見た。
これはやっちゃダメでしょ!
「アイアムレジェンド」に並ぶ「ビジュアル最高、内容空っぽ。見た後イライラ」の映画。
良いところは、音に迫力があるところと、映像に臨場感があることぐらい。
こういうメジャー系映画はそれで十分なんだろうけど、なんか許せなかった。
●不満1:ブレア・ウィッチを超える気ないよね?
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」でも有名になったドキュメンタリースタイルを使っているが、それ自体には意味がない。「この手法、スタイリッシュでしょ?」という製作者の自己満足しか感じなかった。だって、メインキャラ達は、ドキュメンタリーっぽい行動とらないもん。演技がリアルじゃない、ってことじゃなくて、彼らのあらゆる言動の動機にリアルさがないってこと。
●不満2:説明するのかしないのかはっきりしろ。
「説明しないことによる怖さ」を狙ったつもりかもしれないが「説明不足によるもどかしさ」しか感じなかった。「説明しない怖さ」ってのは、スピルバーグ監督の「激突」のトラックの正体や行動動機とか、「シックスセンス」のゲロ少女の母親の行動動機とか、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」の得体のしれない肉片とか、いろいろある。この作品は、ニューヨークを破壊した“アレ”が何なのか、説明しないくせに必要以上に見せたりする。
●不満3:登場人物達に感情移入できません。
登場人物たちのあらゆる行動の動機が弱すぎて感情移入できない。そりゃメインキャラクターがスタコラサッサとニューヨークを脱出すれば映画は10分で終わっちゃうわけで、だからこそ、逃げない(または逃げられない)理由や、そこでとる行動に意味がなければいけない。なのに、ものすごく説得力のない理由でメインキャラクター達は90分間ニューヨークに残る(または残される)。しかも、メインキャラの1人である、ビデオカメラで撮影をする男のキャラ設定が、いわゆるKYな発言をする冴えないやつなのだが、見ている側としては彼にイライラするだけで、まったく笑えない。かといって映画の内容に大きく影響を与えるような大きなKY行動をとるわけでもないので、KYなキャラ設定にしたことにさほど意味がない。「こういう人っているよね~」っていう、“あるある”的な感情を観客に抱かせて、リアルさを訴求したかったのだとしたら、それは浅はか過ぎる。
あと、メインキャラ達は、ニューヨークのちょっと上流な若者たちね(Yuppieって死語かしら!?)。東京に例えると三軒茶屋や中目黒に住んで独身を謳歌してる20代中~後半の商社やITベンチャーや外資金融の人たちかな? この階級の人たちをメインキャラに据えた意味もよくわからん(いや、わかるんだけど浅はかなんだよなぁ…)。そりゃ夜のマンハッタンに高級アパートメントで優雅なパーティをやってる人たち、といったらこういう人たちになるけどね。
●不満4:製作者達の自己満足としか思えない!
「僕、こういう迫力あるパニック映像作れます。しかもリアルなドキュメンタリー風、センスあるでしょ!」という製作者や監督の自己アピールのためだけに、大きな予算を使って作った、という印象を受けた。嫌悪感MAX。
●不満5:仮想敵のないハリウッドメジャー映画はしょぼい!
アメリカ映画を年代順に並べて、映画中の「敵」が誰なのかに注目すると、アメリカン自己チュー歴史の勉強になる。昔は、ナチスドイツとアメリカ先住民。70~80年代はソ連や共産主義国。90年代は米ソ冷戦が終わって多様化し、中東、南アフリカ、経済大国日本など。90年代後半になるといよいよネタが尽きて、宇宙人、天変地異、隕石、ウイルスなどに。21世紀になると、NY同時多発テロのショックとイラク戦争についての国内世論が割れたことをうけて、中東、テロリスト、ハッカーなどを扱うものの、いまいち悪を100%悪として描かないようになってきた。「悪人たちにもそれなりに事情があったんだよ」みたいな。今回の作品も、もうアメリカには100%悪な仮想敵がないもんだから説明を放棄しちゃった、という印象を受けた。「ん~、もうとにかくパニック映画作ろうよ。どう? ニューヨークがパニック! 理由なんかいいじゃん! ドカーンって爆発して自由の女神の首がふっとんでさ!」と、何も考えていない自称プロデューサーが言いそうなセリフ、が聞こえてくるようだ。
★映画の内容と無関係なネタバレ!
この作品のエンディングの演出の関係で「エンドクレジットの後にもなんかあるんじゃないか」と思ってか、最後まで席を立たない人が異常に多かったです(僕もその1人)。
なんにもありませんから! エンドロールが始まったらさっさと帰っても大丈夫よ。
この映画を気に入った人、誤解しないでね。楽しめたならそれでいいんです。
僕が楽しめなかっただけだから。迫力のある映画であることは間違いないし。
dygoの満足度:D(どうしたハリウッド! このぐらい単純でいいからもっと楽しいのを作ってよ)
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JUMPERの時は、
見終わった後に、テレビCMに騙された!
って思ったんですけど、そんな感じですかね?
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やっぱりそうでしたかぁ。[絵文字:v-40]
昨日回避して、保留にしてたんですよ。。
自由の女神のもげた首といい、怪物の影といい、
向こうでは、小出しにされた事前のネタで「
正体は?」って話題を呼んでた話を聞き、
こりゃ究極のプロモーション型映画って感じがしてたんですよね。
映画が始まるまでが「作品」みたいな。。
最近、ギンザはクリスピードーナツの袋を持った人だらけです。
食べて美味しかったという人をあまり聞いたことがないのですが、「2時間の行列のドーナツ」って聞くと、たしかにその正体を知りたくなるんでしょうかねぇ。正直甘かったんですよねぇ。
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31さん
まさにそのとおりだと思います。「ジャンパー」は未見ですが、見た人の感想が、僕の「クローバーフィールド」の感想と似ているので。
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名無しのdygoファンさん
まさにそのとおりですね! 「アイアムレジェンド」と同様、一番面白かったのは予告です。
クリスピー・クリーム・ドーナツ、いつの間にか5店舗もできてたんですね。
僕はドーナツ好きなんで、牛乳と一緒ならなんでも満足するんですが、別にクリスピークリームじゃなくミスドでも満足するんですよね。
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あ、
また名前を入れ忘れましたね。
たしかに、期待はずれ感はジャンパーと似てるかも。。
アッチは原作はしょり系ですけどね。
映画を見る限り、主人公は我儘かつ小物の犯罪者でしかなく…。たぶん原作では、やんちゃで自由を求める魅力的な少年だったのを描かないで終わったような映画でした。
「かっこいいでしょ」とかをCG映像のみで表現すると、どーもそーなっちゃうんでしょうかねぇ
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TAK*2さん
TAK*2もやっぱり「ジャンパー」ダメでしたか。今のところ「おもしろかった」という人に会ったことがありません。
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今日、観てきました。
個人的には「[太字][色:FF0000]大アリ[/色][/太字]」です。
まず怪獣映画をブレアウィッチな視点で作製するってアイデアが陳腐といいますが、
じゃあこれまでにそういう映画があったか?
断じて否!
つまり「まだ誰もやってないことをやった」わけで、
これを偉業と言わずしてなんと言いましょうか。
説明が無いのもこの映画の登場人物はこのモンスターについて何一つ知る由が無いわけで、
ここにしたり顔の博士が出てきて「この怪獣は~」なんて一席ぶったら
それこそ寒々しいものとなるにちがいないのです。
あくまでも「一般人の1人がたまたま家庭用ビデオで撮影してた映像が見つかった」のであって、
ブレアウィッチみたいに事前にリサーチしてたわけではないんだからこれで正解。
そもそも伝えたいメッセージなんぞもともと無いんだし、
ていうかメッセージ性の全く無い映画ってのもあっていいと思うんです。
純粋に映像だけ見ておくんなせえという映画。
というか東宝怪獣映画が好きで好きでたまんねえんだけど、
そのまんま作ると
「ゴジラの二番煎じじゃん」「ノーモアUSゴジラ」
と言われるのは火を見るよりも明らかで、
故に今回の手法に至ったと推測しております。
日本でもゴジラシリーズのマンネリ化への反発から
平成ガメラシリーズと言うSF映画の傑作が生まれたわけで、
(巨大怪獣が2匹も出てきて肉弾戦を行った場合、
その場所での物的・人的被害が具体的にどうなるのかをシミュレートしてたり)
今回はさらにそれを一歩先に進めたと言えます。
これまではやりたくても技術的に無理だったんだよね。
あの手持ちカメラ映像へのCGのマッチムーブとか、
考えただけで寒気がするもの(w
で、製作陣がいかに東宝怪獣映画をリスペクトしてるかは
エンドロールで流れる伊福部節もかくや、と言わんばかりの
オスティナート炸裂のメインテーマに如実に出ております。
…まぁ…1人ぐらい全力で擁護してもよろしかろうと思ったもので…(w
長文失礼しました。
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JBRさん
お、気に入ったのか…(笑)
ま、そういうこともありますわな。
僕は「スターシップ・トゥルーパーズ」もダメだったしなぁ。
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あ、それなら仕方ないわ(w>「スターシップ・トゥルーパーズ」もダメだった
まぁ、好き嫌いは激しい映画だろうからそれはそれでいいと思います。
個人的には今から続編が観たくて観たくてしょうがねえですよ。
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あ、怪獣映画か。。その観かたはあるのかも。
最近、どうしても、登場人物たちの行動のリアルさや感情移入度がないと覚めちゃうとこが多いですからね。
ともあれ、みんなが映画批評を戦わせているのを聞いていると、映画を観たくなってきます。
おかげでクローバーも見てみたくなってきました。
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JBRさん
続編って「クローバーフィールド」の?
ちょっと気になるな。
後付けで「これは最初から3部作のつもりでした。」とか言いそう。
「バイオハザード」みたいに、回を重ねるごとに楽しみ方がわかってくる作品かもしれないので、一応続編には期待。
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TAK*2さん
例えば、「ヤッピーの主人公達に感情移入できないからダメ」という見方ではなく、「登場人物に感情移入させないために製作者達が主人公の設定をヤッピーにした」という見方をすれば、楽しめなくもないかも。
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そう、「クローバーフィールド」の続編です。
PART2の製作はすでに決定済らしいですわ。
なんでもあの事件の日に別の場所でもビデオ回してたバカがいたらしく(笑
その映像を公開することになるそうな。
というか「クローバーフィールド」が怪獣映画じゃないとしたら…何映画なんだろう?
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JBRさん
酷評しておきながら、実はパート2見たいであります。
他の人が監督して、「エイリアン」とか「エルム街」みたいに、監督の登竜門的なシリーズになったらいいのに。