「レッドクリフ PART 1」ハリウッド級のコテコテ香港映画に酔う

2009年1月13日火曜日

45_映画・音楽・読書

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中目黒の正覚寺で見た赤い壁。
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上映終了直前の「レッドクリフ PART 1」をやっと見た。
まったく期待していなかったのでとても楽しめた。
見に行くのが遅くなった理由は、「三国志」をよく知らなくて、思い入れがないから。
幼い頃、家にあった横山光輝の漫画版「三国志」を40巻ぐらいまで読んだが、顔や名前が覚えられず、途中から完全にストーリーから置いていかれて、絵を眺めながら読むだけになってしまった。劉備と関羽と張飛と曹操の4人の名前ぐらいは覚えているけど、そのほかのキャラクターや人間関係はまったく覚えていない。
実は「三国志」には2度挫折している。1つは横山光輝の漫画。もう1つは、幼い頃NHKでやっていた人形劇の「三国志」。これも2~3話ぐらいで、話についていけなくなって見るのをやめた。
そんなこともあって、僕にとって「三国志」は「面白い話なんだろうけど僕にはついていけない複雑なお話。」みたいな位置づけだった。軽いトラウマね。
さて、こうして「三国志と僕は相性が悪い」という先入観を抱きながら「レッドクリフ Part 1」を見に行きました。
映画が始まると、いきなり日本語のナレーションが。
「しまった~! 間違って日本語吹き替え版のチケットを買ってしまったのか~! やっぱり俺と三国志は相性が…」と背筋が凍る。
だが、これは日本上映用の「レッドクリフを楽しむための基本講座」みたいな5分ぐらいの解説映像だった。あ~、びっくりした。
これは本当に役立った。日本の配給会社、ありがとう。
あと、もうひとつ日本の配給会社の配慮で、映画本編中に人が登場するたびに、テロップで「劉備」とか「諸葛亮(孔明)」とかって名前が出るの。テレビで映画を放映する時みたいに。これにも少しだけ助けられた。
だけど、テレビで映画をやる時と違うのは、キャラの初登場時以外にも複数回テロップを出すこと。「曹操」なんか、もう何度も出ていて顔を覚えているのに、場面が切り替わるたびに「曹操」とテロップが出てくる。
どのレベルの客に合わせるのか、っていう「親切の基準」を決めるのは難しいけど、僕にはちょっとクド過ぎた。それに、映画さえ面白ければ、キャラの顔と名前ぐらい多少わかりにくいぐらいの方が、お客さんが確認のために2度見に来てくれたりするのに。
あとになってよーく考えてみたが、このテロップは一切不要だったと思う。
映画の本編については、長さも感じさせず、物語もわかりすくまとめられていたので、素直に楽しめた。
新鮮だったのは、映像の迫力はハリウッド映画並みなのに、演出が香港映画テイスト丸出しだったところ。
「そこでスローモーションにするのはクサいだろ~!」とか「なんでお前だけ矢があたらない~!」とか「昔の中国には重力がないんですか?」とか、優しく突っ込みたくなってしまうような、香港アクション映画テイストを堪能できました。
戦闘シーンについては、「ブレイブハート」「300(スリーハンドレッド)」「プライベートライアン」などと比べると、スピード感(カット割り?)が控えめで、ゆったりとしたテンポだった。目指している方向が違うのだろう。リアルな殺戮シーンというよりは、戦闘を再現した壮大なマスゲーム。
格闘技観戦に例えると「300(スリーハンドレッド)」が総合格闘技のUFCで、「レッドクリフ」がアメリカンプロレスのWWE。「この人が死ぬか生きるか!? この技はどれだけ相手にダメージを与えるのか!?」という冷たい緊張感よりも「この人の必殺技が見られるか!? この技はどれだけ美しくきまるか!?」という生暖かい緊張感。
この映画の予備知識ゼロの僕は「すごい! ハリウッドの大予算でコテコテの香港映画してるじゃん! しかしよくこんな演出をハリウッドが許したな~。しかも2部作だなんて。」と思い、あとで調べてみたら、ハリウッド資本ではなかった。納得。
プロデューサーのインタビューによると「資金集めの際、もちろんハリウッドにも企画を出したが、“登場人物が多くてわかりにくいので劉備と関羽と張飛をまとめて1人のキャラクターにしろ”とか“三つ巴だとわかりにくいので三国ではなく2つの国の対決にしろ”とか言われた」とのこと。すげー、さすがハリウッド!
こういった「原作を冒涜していると言われようが、映画として面白くなるのならば何でもやってやる」というエンタメ脚色根性こそが、ハリウッドの長所でもあるんだけどね。
ハリウッドを凌駕する迫力満点の香港エンタメ映画。素晴らしい!
Part 2も必ず見に行く!
そして横山光輝の「三国志」も、もう一度読み返す!
dygoの満足度:A(三国志恐怖症を取り払ってくれてありがとう)
全部ウソです。生まれ変われるなら諸葛亮よりも金城武がいいです。

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