「デスプルーフ」タラちゃんの真骨頂!

2007年9月3日月曜日

45_映画・音楽・読書

t f B! P L
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I'm not a cowboy, Pam... I'm a stuntman.
タランティーノ監督が「キル・ビル」に続いて、好き放題に作った快作。「キル・ビル」の方が面白かったけど、これも捨てがたい。タランティーノ作品の中で、どちらかと言えばアタリだ。
主人公の女性たちの他愛ない(?)会話が中心なので、それを「ダルい」と思うか、楽しめるかどうかで好き嫌いは真っ二つに分かれると思う。
70年代B級映画へのオマージュも多分満載なんだろうけど、僕は詳しくないので少ししか分からなかった。それでもしっかり楽しめたのでOK。
基本的には、女の子たちの下品な会話シーンがだらだらと続くのだが、観客としては、全編をいや~な緊張感、不安感を抱きながら見ることになる。
観客に慢性的な不安感を抱かせる手法は、ちょうどヒッチコックの「サイコ」を彷彿とさせる。「サイコ」は、シャワーの殺人シーンだけが有名だが、殺人描写そのものよりも、映画全体を通じて観客を超不安な気持ちにさせる演出が巧妙なのだ。
とくに「デスプルーフ」のカーアクションシーンは、今まで見た映画の中でもトップクラスに入る“怖さ”。一般的な大作のカーアクションは予算もCGもすごいので見た目の迫力はあるのだが、この作品のカーアクションの“怖さ"には遠く及ばない。これはタランティーノの実力にほかならない。
スピルバーグ監督のデビュー作「激突」が持つ“怖さ”に匹敵する。アクション映像そのものの怖さではなく、演出そのもの(主人公の立場や犯罪者の動機など)で観客をビビらせている。
例えば、早朝の歌舞伎町の狭い路地を歩いている時に、向こうから…
(A)見るからにヤクザっぽい人が3人、肩で風を切って歩いてくる。
(B)マジメそうなスーツのおじさんが涼しい顔で歩いてくるのだが、左手にアタッシュケース、右手に出刃包丁を持っている。
僕は(B)の方が100万倍怖い。
ヒッチコック、スピルバーグの作品がそうであるように、「デスプルーフ」も(B)のような、想像力に訴えかける形で不安を煽るのだ。
タランティーノが好き放題に作る映画って、アメリカ映画界に絶対必要だと思う。
自己満足な要素が満載なのに、彼が常に観客を意識しているということは伝わってくる。彼の作品からは「俺ってすごい監督だろ」という声ではなく「ね、映画って楽しいでしょ!」という声が聞こえてくるのだ。
例えば、伝説のギタリスト、ジミ・ヘンドリックスに対して「あの人、歯で弾いたりギターを燃やしたりしないで、ちゃんと弾いてくれれば上手いのに…」と苦言を呈することがナンセンスであるように、タラちゃんにはタラちゃんのままで大暴走を続けてほしい。
ちなみに「Death Proof」のProofは「証拠、証明書」という意味で有名ですが、この場合「○○に耐えられる」という意味です。
ですから「Waterproof TV=防水テレビ」「Bulletproof Vest=防弾チョッキ」「Foolproof Camera=アホでも使えるカメラ」となります。
タイトルの「Death Proof」は「不死身仕様の○○」ってことです。
なお、「Proof of Death」だと「死亡証明書」という意味になります。
さらに、「Proof」には「アルコール度数」の意味もあるので「This vodka is 80 proof.=このウォッカは80度です。」となります。
dygoの満足度:A(万人ウケはしないけど、それがどうした!)

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